2019年4月から新たな外国人労働力の受け入れが始まりました。
　日本国内の深刻な人手不足に対応するため新たな在留資格を設け、単純労働で初めて外国人の就労を認める形となりました。

　法改正以前も、技能実習や留学生のパート・アルバイトの形態で外国人労働者が日本で働いていましたが、これまで技能実習生の労働環境をめぐり様々な問題点が指摘されていました。 

　外国人材の受け入れ・共生のための主な施策

１．日本政府が進めている外国人材の受け入れ・共生のための施策をいくつかご紹介します。
　外国人が必要とする情報を的確に接することができる拠点として、全国各地に「多文化共生総合相談ワンストップセンター（仮）の設置を支援。
　地域との交流の場や日本語学習の場としても活用する予定。


２．生活サービス環境の改善等
　すべての居住圏において外国人患者が安心して受診できる医療体制の整備や、防災・気象情報の多言語化・普及（11言語対応）、住宅確保のための環境整・支援等、医療・保険・福祉サービスの提供環境の整備を図るなど、生活サービスを改善。


３．留学生の就職等の支援
　生活のための日本語教育の全国展開や、必要な日本語能力レベルの企業ごとの違いを踏まえた多様な採用プロセス等の推進等、就職促進のための在留資格の整備等。


４．外国人材の適正・円滑な受け入れの推進
　日本語教育機関に対して定期的な点検・報告の義務付けや、日本語教育機関に関する情報を関係機関で共有し、法務省の調査や外務省の査証審査に活用する等、日本語教育機関の質の向上・適正な管理を図る。


　他にも適正な労働環境を確保するため、労働基準監督署やハローワークの体制強化、社会保険への加入促進、悪質な仲介事業者等の排除なども施策に盛り込まれています。また、生活者としての外国人を支援するために、行政サービスや医療・保健・福祉サービス、住宅、金融・通信サービスなどへのアクセスの確保、日本語教育の充実などを図るとしています。

　今後の課題として考えられるのは、こうした施策を外国人受け入れの経験が浅い自治体や地域社会、企業にどう浸透させるか。そのためには企業自身の受け入れ姿勢も変えていく必要があります。
　日本人と同等の賃金・処遇の確保はもとより、生活環境整備の支援に加え、キャリアパスの明確化、高度業務に必要な日本語の教育など、やる気のある外国人が活躍できる環境整備も同時に求められます。